よびごえ日誌


2019.06.13 【2019】よびごえ日誌 vol.006

今回よびごえ日誌を担当するのは2年声楽専攻で、今回「恋」の指揮を振っている草野圭祐です。昨年までは、学生が指揮をするという場面は少なかったため、慣れないこともありますが、団員の皆さんの協力の下最近はやっとペースが掴めてきたかな、という感じです。
 
今回の練習では、まず「雨のあと」をやりました。今回の大きな議題は「葉っぱ」という言葉の「葉」と「ぱ」の間に休符があるのは何故か、ということでした。歌い手からの視点、聞き手としての視点、作曲者はどのような演奏効果をもたらしたかったのか、そこに介在する感情について、空間的な広がりについて、などの多角的な方面からこの議題について考えました。話し合いながら考えると、一人では持たないであろう視点を取り入れつつ議論を進めることができるため、とても面白い話し合いになったのではないかと思います。
 

 
次に、「恋」ですが、今回は子音がもたらす演奏効果について、ということに焦点を当てて練習を行いました。どのような言語にも子音と母音は存在し、歌唱する上でその二つは非常に大きな要因を占めますが、私たちが普段声楽をするときは母音ばかりを気にしてしまい、子音を使うということをおろそかにしてしまっているのではないかと思ったので今回は子音に焦点を当てました。結果として、私が想像していたよりもとてもよい演奏効果が得られ、団員の皆さんもたくさん考え、それを表現してくれたので、よい学びになったのではないかなと思います。
 

 
私が合唱について考えるときに一つ軸にしているのは、必ずしも指揮者の求める音楽に批准することが正しいわけではない、ということです。団員がいればその人数分の表現方法や感じ方、伝えたい想いがあってしかるべきであるし、様々な価値観が団員の中にあればこそ聞いてくださる方の心に刺さる部分も増えていくのではないかと私は考えています。単一の情報を極めることも合唱の美しさだと思いますが、よびごえの皆さんには是非情報量の多い合唱をしてほしいな、と思います。きっとこのよびごえは合唱の新しい可能性を探すのに最適な場であるはずなので、皆さん一人一人の考えを大切にしてほしいなと思います。
次の日誌は、私と同学年のかのんさんにお願いしたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

草野