よびごえ日誌


2019.12.02 【2019】よびごえ日誌 vol.026

こんにちは。本日のよびごえ日誌はテノールパート4年の笛木和人がお届けします。
常連の皆様には初めまして。お邪魔します。さあ何を書こうかな。ワクワクしますね。随所に余談を散りばめておきますので、どうか最後まで読んでいってください。
 
まず簡単に私の自己紹介をしておきます。所属はB類音楽専攻声楽科。好きな食べ物はミラノ風ドリアです。よびごえには1年生の頃からお世話になっていますが、その頃のよびごえはまだできたてほやほやでしたから、ホームページに交代で日誌を書くという文化はおろか、団体としての役職や制度などもあやふやでした。その辺りも随分きちんと整えられたものです。小田さんには頭が上がりません。
 
気づけば師走に突入してしまいましたね。教師の卵たちも大忙しです。
何より厄介なのは寒さです。寒いので暖房を効かせますね。すると冷気はどんどん下に溜まるので足下は余計に寒く、暖気はその上を覆うので呼吸すれば喉はカラカラに。歌えやしない。「いい歌はいい空気から」ということで、本日のボイトレは稽古場の空気をかきまわすところからスタート。
 
雨乞いの如く繰り返し腕を上げ下げする団員たち。そして部屋中をうろうろと歩き回る。ついでに(?)発声もする。腕の上下に応じて声量に強弱をつけます。成程、声と身体表現を連動させ声量を可視化することでより自然に息をコントロールでき、無理なく声が流れていきますね。
 
いい感じに暖気と冷気が混ざってきたので、次は隣の人の声を聞く練習。隣の人の声量に合わせて自分のそれも同じくらいに調節します。これを一列に並んでやってみると、強弱の意思がまるでウェーブのように伝わって楽しいです。
 
今回のボイトレで感じた課題は、一人ひとりがもっと幅広い強弱を出せるといいね、ということでした。早い話が、持ち得る強弱の幅が表現力に直結するのです。無論、いくらfと指示が書いてあったとしても、パートとしてのバランスを欠いてしまってはお話になりませんけども。たとえばBIN-NAM-MAにはp,mp,mf,f,ff,fffの6段階に渡る強弱記号が存在します。正確にはpiù forteとpoco più forteを加えた8段階になりますし、さらに厳密にいえば声の強弱はデジタルではなくアナログですから、その間隙を埋める無数の強弱段階が在ることを私たちは知っています。
 
ふと、自分にはどれだけの引き出しがあるのか気になりました。たまには自分の限界を知っておくのもいいかもしれませんね。
 

 
さて本日の稽古はというと、機械的な音取りと演奏指示の確認という緻密な譜読みの一時間でした。
時折ものすごい不協和音が鳴り響いてびっくりしますが、楽譜をよく見るとどうやら合っているらしい。こんな感じで手探りで少しずつ進んでいきます。これがなんだか懐かしい感覚で、えも言われぬ面白さです。普段は接しないような異様な合唱曲に取り組んでいると「あ、よびごえだな」という正体不明の安心感に囚われます。もはや感動すら覚えます。
 
音取りが中心となるとあまり実況向きの内容ではないかと思いきや、一つ興味深い発見があったのでご紹介しましょう。
 
鍵盤ハーモニカ。
 
小学生の頃に触れた覚えがありますか?あれです。ピアノのように鍵盤楽器でありながら、息によって音色をコントロールするという特徴を持つため、歌うような旋律を奏でることができるのです。音取りの際「このように」と言って模倣させるだけなら、ピアノよりも優れていると言っても過言ではないでしょう。すごいでしょう鍵盤ハーモニカ。たまには押入れから引っ張り出してきませんか。シールとか貼ってあったら懐かしい気分に浸れると思いますよ。知りませんけど。
 
いかがでしたでしょうか。とりとめもないことで埋め尽くしたきらいもありますが、これで私のよびごえ日誌は終えようと思います。特に大したことは書いていませんね。それでも実に自分らしい文章が書けたと思います。私はそれだけで満足です。
 
次回は同期の4年生で同門の鈴木慧にお願いしようと思います。これからも朝晩はぐんと冷え込みますから、くれぐれもご自愛くださいね。それでは。

笛木